給料・手当

【令和8年度】人事院勧告の内容を給与担当が完全解説|5年前・10年前と俸給表を比較

ダッチ

2026年8月7日、令和8年度(2026年度)の人事院勧告が出されました。行政職俸給表(一)は平均3.3%の引上げ、ボーナスは年間4.70月へ。この記事では、勧告の内容を現役の市役所給与担当が要点を絞って解説し、さらに5年前・10年前と比べて給料がどれだけ上がったかを、俸給表の実額でお見せします。

✅ 令和8年度 人事院勧告の要点

  • 官民較差:+15,056円(3.51%)のベースアップ
  • 行政職俸給表(一)の平均改定率:3.3%(1級4.0%〜10級3.0%)
  • 初任給:+9,500円(総合職・一般職とも/人材確保のため大幅増)
  • ボーナス:4.65月 → 4.70月(+0.05月)
  • 転居に関する手当の新設・広域異動手当の引上げ など
  • 実施:令和8年4月にさかのぼって適用

「人事院勧告とは何か?」という仕組みの基礎は、人事院勧告とは?仕組み・スケジュールを給与担当が解説でくわしくまとめています。

令和8年度勧告の全体像

人事院は、民間給与との差(官民較差)を埋めるように給与改定を勧告します。令和8年度は、民間の高い賃上げを反映して較差+15,056円(3.51%)を解消するための改定となりました。

項目 内容
勧告日 2026年(令和8年)8月7日
官民較差 +15,056円(3.51%)
月例給の実施 令和8年4月にさかのぼって適用
ボーナスの実施 令和8年4月分から(12月期末勤勉手当で調整)
民間比較の規模 従業員100人以上(令和7年から)

① 月例給の改定|行政職(一)は平均3.3%引上げ

一般行政職の給料表(行政職俸給表(一))は平均3.3%の引上げです。同じ平均でも、級が上がるほど改定率は下がり、若手・中堅の多い低い級ほど手厚い配分です。

級(本府省の目安) 平均改定率
1級(係員) 4.0%
2級(主任) 3.6%
3級(係長) 3.4%
4級(係長) 3.1%
5〜10級(課長補佐〜課長) 3.0%
💡 初任給は+9,500円の大幅引上げ

人材確保のため、初任給が大きく引き上げられました。
・一般職(高卒):209,800円(+4.7%)
・一般職(大卒程度):241,500円(+4.1%)
・総合職(大卒程度):251,500円(+3.9%)

② ボーナスの改定|年間4.70月へ

期末手当・勤勉手当(ボーナス)は、直近1年間の民間の支給実績に合わせて、年間4.65月 → 4.70月(+0.05月)に引き上げられました。期末・勤勉に均等に配分されます。

③【目玉】5年前・10年前と比べて、給料はどれだけ上がった?

ここが今回の一番の見どころです。行政職俸給表(一)の実額で、平成27年度(約10年前)・令和3年度(5年前)・令和8年度(現在)を並べてみました。

初任給・俸給の推移

区分 平成27年度
(2015)
令和3年度
(2021)
令和8年度
(2026)
10年間の上昇
高卒初任給(1級5号) 144,600円 150,600円 209,800円 +65,200円
(+45.1%)
大卒初任給(1級25号) 176,700円 182,200円 241,500円 +64,800円
(+36.7%)
俸給表 最低額(1級1号) 140,100円 146,100円 205,300円 +65,200円
(+46.5%)
大卒初任給(行政職一・1級25号)の推移
176,700円
平成27
182,200円
令和3
241,500円
令和8
現役給与担当ダッチ

ダッチ
注目してほしいのは、平成27→令和3の5年間はほぼ横ばい(大卒176,700→182,200)だったのに、令和3→令和8の5年で一気に約6万円アップしたこと。近年、民間の賃上げと人材確保の流れで、公務員給与も明確に上昇局面に入っています。
正直なところ、私が入庁した約15年前では考えられないほど初任給が上がっていて…先輩としては、少し寂しい思いもしています。。。

ボーナス(期末・勤勉手当 年間)の推移

平成27年度 令和3年度 令和8年度
4.20月 4.30月 4.70月

ボーナスも、10年で+0.50月。月給40万円なら、年間で約20万円の差になります。

各級「初号(1号俸)」の3時点比較【完全版】

役職ごとの入口(各級の1号俸)が、10年でどう変わったかの一覧です。

平成27年度 令和3年度 令和8年度 10年上昇率
1級 140,100 146,100 205,300 +46.5%
2級 190,200 195,500 251,500 +32.2%
3級 226,400 231,500 286,200 +26.4%
4級 259,900 264,200 320,700 +23.4%
5級 286,200 289,700 344,400 +20.3%
6級 317,000 319,200 379,500 +19.7%
7級 361,300 362,900 434,300 +20.2%
8級 406,900 408,100 486,700 +19.6%
9級 457,200 458,400 541,700 +18.5%
10級 520,500 521,700 584,700 +12.3%

※単位:円。出典:人事院「令和8年 給与勧告」別記第1、令和3年度(俸給表は令和2年度から据置のため令和2年4月時点)・平成27年4月時点の行政職俸給表(一)。役職区分は本府省ベースの目安(府省・自治体で異なる)。下位の級(若手)ほど上昇率が高いのが近年の特徴です。

④ 手当の新設・改定

🏠 転居に関する手当の新設【令和9年4月実施】

転居を伴う転勤を行った職員を広く対象とする手当が新設されます(距離区分に応じて手当額を設定)。例:東京から大阪へ異動する場合の手当額は年額 約22万円(単身赴任者は約49万円)。単身赴任者には別途、二重生活の生計費補助(年間36万円)も。
📈 広域異動手当の引上げ【令和8年4月実施】

広域的な異動に対する支給割合を引上げ(距離区分に応じ、5%・10% → 8%・16%)。

⑤ 勤務時間・休暇の改定【令和9年4月施行予定】

給与以外にも、働き方に関する改定が勧告されています。フレックスタイム制の柔軟化など、働きやすさと成長の両立に向けた見直しが盛り込まれました(詳細は今後の制度設計で決まります)。

⑥ 地方公務員への影響

人事院勧告は国家公務員が対象ですが、地方公務員の給与にも波及します。各自治体の人事委員会が勧告 → 条例改正という流れで反映され、国と時期・内容がズレることもあります。

⚠️ 注意:勧告どおりに上がるとは限らない

地方は最終的に各自治体の議会が給与条例を改正して初めて給料が変わります。財政が厳しい自治体では、勧告どおりにならないこともあります。反映の時期(差額の遡及支給が翌年1月になる自治体も)を含め、くわしくは人事院勧告の解説記事をご覧ください。

まとめ

📝 令和8年度 人事院勧告のまとめ

  • 行政職(一)平均+3.3%・初任給+9,500円・ボーナス4.70月
  • 級が上がるほど改定率↓(若手・低い級に手厚い
  • 俸給表はこの5年で急上昇(大卒初任給 令和3 182,200円→令和8 241,500円)
  • 10年前と比べると初任給は+45%前後、ボーナスは+0.50月
  • 転居手当の新設・広域異動手当の引上げなど手当の改善も
現役給与担当ダッチ

ダッチ
「公務員の給料は上がらない」というのは、もう昔の話かもしれません。特に若手は、この数年で明確に待遇が改善しています。給与担当として、この流れは当分続くとみています。

※本記事は人事院「令和8年 給与勧告」等の公表資料にもとづく解説です。最新の確定情報は人事院・各自治体の人事委員会の公式発表をご確認ください。

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公務員ブロガー
市役所15年勤務のうち給与厚生担当を5年経験。リベ大で日々マネーリテラシーを研鑽しています。現役の地方公務員・国家公務員、これから公務員を目指す皆さんに、お金・キャリア・制度に関する正しい情報をお届けすることをモットーにしています。
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